関係者の方々の声


「10月17日 香川昌子先生の命日の集いにて」
 毎月17日の命日には仏壇のお参りや、会食などの集いを香川先生に縁のある方々がされています。その集いに参加させていただき、お話しをお聞きしました。


「香川先生はどんな方でしたか?」
 礼儀作法にはとても厳しい方でした。特に品の無い食べ方、箸の持ち方には厳しい態度でした。ですが、これらの教えは後の大学進学には多いに役に立ちました。

「どんな口調でしたか?」
 口調は非常にはっきりしており、声も大きい方でした。怒られる時の声はびっくりするほどでした。

「香川先生が厳しかったというお話しはお聞きしますが、どんな厳しさでしたか?」
 慈悲の心がおありでした。根底にその心があったからこそ卒業生が今でもこうしてお参りに来られます。厳しさの底には優しさがありました。
 授業はとても良い授業で成長した時にとても役に立つ教えでした。のちのちにずいぶんとここの教育に救われました。本当に教えていただいてよかったと思っています。

「授業はどんな内容だったのでしょうか?」
 作法と道徳を主に教えていただきました。その教えの中でよく絵の話しや指導をしていただきました。教えが本当によく、成長した時に役に立つ厳しさがあり、優しいお母さんに教えていただいたように感じます。
先生の優しさは、学校から家が遠くて通って来られない学生を、ご自分の自宅に泊めておられたところによく現われております。礼儀作法を教えながら次々とそういう学生の面倒を見られていました。それらの卒業生の方々は本当に素晴らしい人物になっていらっしゃいます。
 香川先生はとにかく尊敬できる方でした。今思い出しても涙が出るくらいです。新造校長先生も同様に厳しかったですが、反面、非常に優しい方でした。

「香川先生の美学」
 他校と違って、戦時中にも生徒に「もんぺ」は履かせず、二十四襞のスカートで、校庭にみんまが集まると、とても美しかったです。終戦に近くなって、仕方なく「もんぺ」になりました。それが香川先生の美意識だったのだと思います。

「進学率はどうだったのでしょう?」
 香川女学校からは、昔から進学者が多かったです。その時代に女の人が進学するというのはとても少ないことでしたが、・・・

「香川先生の自宅の近所に住んでおられた、お琴の池田先生のお話し」
 香川学園の卒業生の方には、社会活動に参加されるなど、非常に活力があり、骨惜しみしないで、貢献される方が多いと感じます。また、卒業生同士が助け合われているなということも感じます。そこは公立高校卒業生の方と少し違う点ではないかと思います。
 香川先生の教育というのがどのような内容なのかを知りたいと思って、在職中からこの集いに参加させていただいております。
この集いでお話しを聞かせていただいて、香川先生の教育は実生活に密着した教育、人間愛に満ち溢れた教育であるとの感想を持ちました。 骨惜しみしないで、貢献すること、それがここの教育の根源なのではないかと思います。
先生の厳しさは「骨惜しみしない卒業生の姿」に反映されているのではないでしょうか。卒業生の方々は、必ずきちんと立ち止まって挨拶をされます。「これは香川昌子先生の教育のおかげです。」そうおっしゃっておりました。


「12月17日 香川昌子先生の本命日にて」
 この日は、香川先生の本命日で毎月の命日の集いよりも多くの縁のある方々が来ていらっしゃいました。私達も仏壇に手を合わせ、お話しをお聞きしました。

「学校を創設したい一因」
 その頃は炭鉱が盛んな時代で、女の人も炭鉱で働いていました。その炭鉱から戻ってきた女の人が、みんなのいるところで胸を出して赤ん坊にお乳をあげる姿をみて、女性の教育を考えたと聞いております。

「香川先生の生徒でもあり、香川の教師でもあった方のことば」
 厳しい面もお持ちでしたが、心はとても温かい方でした。相手の心を読まれる方で、反抗する生徒はいませんでした。私自身が教師になってから、ますます先生のお気持ちがわかりました。人前では指摘をされないお心配りに温かい部分を見ました。 授業中は目をそらしていると、「へちむくな!」と大きい声で厳しく怒られました。

「香川先生の優しさ」
 満州からの引揚者の方々にはご自分の着物を提供されて、先生が亡くなる時にはご自分の着物がなかったほどです。
表面は厳しいですが、お心は非常に優しい方でした。時間が経てば経つほどその優しさがわかります。また、礼の仕方、手の置き方を体で教えていただきました。

「香川先生の学校運営」
 自分の次の校長を決める時に、自分の身内からは選ばず、教育を真に託すことができる方を選ばれました。それが新造校長先生です。男性の先生方はこの校長についていこうというお気持ちを強くもたれたようです。
電話の対応や玄関での対応などにはとても親切な対応を心掛けておられました。心に始まり、心に終わる家庭的な教育でした。
 
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